Story

自転車旅を通じたまちづくり

2019.8.27.UP

NPO法人 シクロツーリズムしまなみ
代表理事 山本優子さん

今や「サイクリストの聖地」として世界に知られる瀬戸内しまなみ海道。多島美が織り成す絶景を堪能しようと国内のみならず世界中からサイクリストが訪れます。NPO法人シクロツーリズムしまなみは、2009年に、今治市、上島町の島嶼部を自転車で活性化しようと発足した団体です。風景や生活感を楽しみながら自転車でゆっくりと地域を巡る新しい旅「シクロツーリズム」を提案し、サイクリストを地域に受け入れることで、持続可能なまちづくりを目指しています。代表理事の山本優子さんにお話をうかがいました。

ゲストハウス「シクロの家」

訪れたのは、今治駅前にあるゲストハウス「シクロの家」。シクロツーリズムしまなみが行なっている事業拠点のひとつです。ここには、サイクリストだけでなく、お遍路さん、バックパッカーの方などさまざまなスタイルの旅人が訪れます。利用客は海外の方が4割を超えるそう。まさに「旅人の交差点」。出迎えてくださった山本さんは、とってもパワフルな女性でした!

山本優子さん

今でこそ多くのサイクリストが訪れる人気のサイクリングスポットとなったしまなみ海道ですが、山本さんが活動を始めた当初は自転車旅の認知度はまだ低く、なかなか理解されなかったといいます。確かに数年前までサイクリングは一部のマニアの娯楽というイメージでした。まず山本さんはサイクリストが訪れたくなるしまなみ海道にするため、マーケット分析を実施。ニーズが高かったものから整備に取り組んでいったそうです。それらは、詳細な自転車専用マップ「しまなみ島走Map」の製作、気軽に休憩ができる「しまなみサイクルオアシス」の整備、自転車のパンクやトラブルの時に対応してくれる「しまなみ島走レスキュー」設置など多岐にわたります。さらに自転車を車内に持ち込める臨時列車「サイクルトレインしまなみ号」の企画提案まで。今、私たちが当たり前のように目にしたり体験したりできたりするものの多くは、山本さんたちの長年にわたる地道な努力の積み重ねの結果なのです。

詳細な情報がサイクリストに大好評の
「しまなみ島走Map」

しまなみサイクルオアシス。このタペストリーが目印。

しまなみ海道を走っているとあちこちで目にする「しまなみサイクルオアシス」。島のお店、農家や民宿、お寺にガソリンスタンドなど、安全な旅をサポートしたいという住民の善意が「軒先を提供する」という形で実現した無料休憩スペースです。2011年にわずか20軒からスタートした取り組みは、なんと今、愛媛県側だけで400軒を超えるしくみへと成長しています。サイクルオアシスの方にまた会いたいからという理由で再びしまなみ海道を訪れるサイクリストも多いそうで、「通過点」と思っていたサイクルオアシスの存在が、運用を始めてみると「目的地」になっていることに山本さんも驚いたそうです。ここでの新しい交流が住民の生きがいややりがいにもつながっています。山本さんが目指すのは、外から与えられた力ではなく、今あるものを活かして住民が自分たちの手で町を元気にすること、なのかもしれません。

シクロツーリズムしまなみではさまざまなサイクリングイベントを行なっている。

「ここまでこられたのも、仲間や島民のみんなで時間をかけて耕してきた土壌があるから」と、お話を伺っている間、山本さんは「仲間」という言葉を何度も使い、「みんなが支えてくれた」「本当に人に恵まれている」と繰り返されていました。かけがえのないたくさんの人との出会いを重ね、新しいつながりを生みだしてこられた山本さん、これからも素敵なお仲間たちと一緒に大好きなしまなみでまちづくりにかかわっていかれるのでしょう。


I'm into I'm into

NPO法人 シクロツーリズムしまなみ
代表理事 山本優子さん

I'm into しまなみリズム&自転車リズム

車ほど速くない、でも徒歩よりは速い、自転車のスピードは、何かと気忙しくストレスが溜まりがちな現代人にはちょうどいいリズムなのかもしれません。道端に咲いている草花やユニークな看板など普段は通り過ぎて見落としてしまうものも、自転車旅なら気づくことがたくさんあります。わざわざ路地やあぜ道などを通り、そこにしかない風景を楽しんだり、住民と会話をしたりする、島の日常にゆっくりと触れる旅に魅力を感じる旅人は多いそうです。自転車旅の魅力は尽きませんね。
山本さんは、しまなみリズム&自転車リズムに夢中です!

シクロツーリズムしまなみのHPはこちらから
http://www.cyclo-shimanami.com/

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